JAさいたま

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営農情報

中国産のなし、りんご花粉をお持ちの皆様 花粉の回収に ご協力ください!

広報誌「さいたま」2024年2月 No.287より

中国産のなし、りんご花粉を使用しないでください

 中国において火傷病(※)が発生していることが確認されたため、国は令和5年8月30日から中国産なし・りんご花粉等の輸入を停止しました。
 火傷病に感染した花粉で授粉作業をすると病気が伝染する恐れがあります。火傷病が国内に侵入・まん延して農業に重大な被害を与えることを防ぐために、以下にご協力ください。

・お手持ちの中国産花粉を使用しない
・中国産花粉は、個人で処分しない  ⇒県が回収・廃棄
 (廃棄の過程で花粉が放出されるリスクがあるため)

※火傷病とは
 火傷病(かしょうびょう)はErwinia amylovoraという細菌(火傷病菌)による植物の病気です。リンゴやナシなどの植物に広く感染し、枝や葉が日にあぶられたように枯れてしまう病気です。日本国内で発生していないため、侵入を強く警戒しています。


火傷病の典型的な症状

中国産のなし、りんご花粉の受領会(回収)を開催します

 中国産花粉は県が回収し、責任をもって廃棄します。令和6年2月上旬~中旬頃、受領会(回収)を開催する予定です。
 詳細については、さいたま農林振興センターのホームページで改めてご案内します。皆様のご協力をお願いいたします。

さいたま農林振興センターホームページ(令和6年2月1日以降更新予定)
https://www.pref.saitama.lg.jp/b0901/sai-nougyoushanominasamahe.html

受領会に向けご準備いただくもの
  1. なし/りんごの中国産花粉
  2. 購入価格を証明する書類(領収書等)
  3. 振込口座が確認できるもの(口座通帳の写し等)

お問い合わせ先
さいたま農林振興センター 管理部 地域支援担当 篠川、山口、西山 048-822-2492

炭酸ガス施用を中心としたハウス栽培の環境制御技術について

広報誌「さいたま」2024年1月 No.286より

(1) 日中のハウス内は炭酸ガスが不足

 現在の大気中の炭酸ガス濃度は400ppm 程度です。しかしながら、一般的な植物はこれよりも高い炭酸ガス濃度でも効率よく光合成を行う能力を有しています。この潜在能力を活用して、トマトやキュウリなどの施設野菜では、温室内の炭酸ガス濃度を高める技術として、「炭酸ガス施用」が行われてきました。図1は、冬季晴天日の温室内の炭酸ガス濃度の推移を示したグラフです。夜間は、温室が密閉され、作物や土壌微生物の呼吸等によって外気より濃度が高くなっています。これに対して、日中は換気により炭酸ガスが外気から導入され、この量よりも作物の光合成によって吸収される量が上回るため、温室内の濃度は外気よりも低下する場合が多いです。
 土壌に有機物が少ない圃場ほど、日中の温室内の炭酸ガス濃度は低下しやすいために土壌を使わない養液栽培では、特に増収が期待できます(千葉県トマト・キュウリにおける炭酸ガス施用の技術指導マニュアルから引用)。


図1 冬季晴天日の温室内の炭酸ガス濃度の推移
(千葉県トマト・キュウリにおける炭酸ガス施用の技術指導マニュアルから引用)

(2)効率的な炭酸ガス施用方法
1)施用時期

 日中の炭酸ガスが不足しやすい時期は、外気温が低く施設が密閉される時間が長い12~3月です。これ以外の季節では、施用費用を上回る効果を得るのは難しいと思われます。

2)施用濃度

 大気中の炭酸ガス濃度400ppm程度のゼロ濃度差施用を基本とします。

3)施用時間帯

 施用の開始時刻は、概ね日の出頃からにします。夜間の炭酸ガス濃度が高いときは、開始時刻をこれよりも遅らせ、終了時刻は午後2時くらいまでとします。

4)炭酸ガスの施用方法

 炭酸ガス発生器からのガスを施設内の植物体に施用する方法として、暖房機の送風機能を連動させて暖房ダクトで送る方法、循環扇で発生したガスを気流で拡散する方法等が実施されています。ダクト施用を行うと、炭酸ガス濃度を均一化しやすいです。


炭酸ガス発生器(左)の吹き出しをハウス加温機(右)の吸気口に向けて施用する
(千葉県トマト・キュウリにおける炭酸ガス施用の技術指導マニュアルから引用)

5)炭酸ガス施用にあたっての注意事項

 炭酸ガス施用により光合成が促進されることで、生育促進を図ることができると考えられていますが、生育促進する分、水や肥料などがさらに必要になると考えられます。特に土耕栽培においては、水や肥料などの不足が阻害要因となることが考えられます。
 埼玉県農業技術研究センターで過去に行った試験結果では、相対湿度が70%程度で光合成速度が最大になりました。
 以上の結果から、炭酸ガス施用の効果を発揮させるためには、炭酸ガス施用量に応じて水や肥料などを増加させることや湿度条件の維持が大切です。

柿の結果習性と整枝せん定

広報誌「さいたま」2023年12月 No.285より

1.結果習性

 柿の結果習性は図1のとおり、充実した前年枝(結果母枝)の先端2~4芽に花芽が着生します。
 通常、柿の花芽は葉芽に比べ幾分大きいですが、せん定時に外部から完全に花芽と葉芽を区別することは困難です。そのため、果実をならそうとする枝(結果母枝)は切り返さず、先端近くの花芽のあると思われる2~4芽を切り返して結実させず、予備枝として利用すると、翌年の結果母枝が確保されます(図2)。


図1 柿の結果習性

2.結果枝のせん定

 柿は、着果させると結果部位から先が極端に細くなり、花芽の着生は少なくなります。そのため、結果枝は翌年の結果母枝には不適切で、着果部位の下まで切り戻して予備枝にするか取り除きます。


図2 側枝のせん定法

3.裏年・表年のせん定

(1)裏年のせん定(ほとんどの樹は今年の冬はこのせん定をします)
 極端な裏年は誰がせん定しても結実しませんので、樹形改造をし、樹の中心まで日が当たるように主枝、亜主枝間隔を広くするため大枝の間引きせん定をします。また、枯れ枝や細い枝、芽が退化している枝を主体に切り、花芽の着いている枝は切らないようにします。
 特に裏年のせん定は、切り返しせん定は絶対に行わず、間引きせん定を主体にします。

(2)表年のせん定
 わずかに陰芽が発生するような強いせん定を心掛けましょう。樹形改造のため大枝を剪定しても花芽が確保できます。
 特に表年には新梢の残枝数に対し30~40%の切り返しせん定をして予備枝を作っておくと、表年と裏年が解消されるようになります。しかし、せん定だけでの隔年結果防止は完全ではないので、人為的に着果制限もしなければなりません。

【農業経営の法人化を進めましょう!】~無料相談会を利用しませんか?~

広報誌「さいたま」2023年11月 No.284より

 農業経営の法人化には、①農業経営の高度化・効率化、②対外信用力の向上、③優れた人材の確保、④経営継承の円滑化(相続対策)、⑤税の軽減 など、多くのメリットが期待できます。「法人化」は経営を発展・継続させるための『手段』であり、特別なことではありません。先ずは法人化のメリット・デメリットを知ることから始めませんか?

 さいたま農林振興センターでは、法人化メリット・手続きなどの説明のほか、経営改善に向け専門家による個別相談会を開催しています。個別相談会の費用は無料です。

個別相談会は、法人化だけでなく、下記の幅広い内容での対応が可能です!
主な専門家の項目 主な相談内容 費用 備考
税理士 法人化のメリット、適否 など 無料 ・相談はご自宅又は当センターで行います。
・時間は2時間/回です。
・先に経営状況やご意向をお伺いします。
・日程は個別に調整させていただきます。
社会保険労務士 雇用契約の留意点、労務管理制度(雇用ルール、社会保険) など
行政書士・司法書士 法人化メリット、手続き など
弁理士 商標登録 など
中小企業診断士 経営の分析・計画、経営承継 など
デザイナー 販売促進資材、ホームページ、6次化商品デザイン など

※相談内容等によっては、ご希望に添えない場合もありますのでご了承ください。

【知っていますか? 農業の6次産業化】~埼玉県は6次産業化に取り組む方を支援しています~

「6次産業化」とは、農業者が農産物の生産から加工、流通・販売まで主体的にかかわり、新たな付加価値を生み出そうとする取組のことです。

1次(農産物の生産)×2次(加工)×3次(流通・販売)=6次産業化

取組内容には次の2つがあります。

  1. 農業者が自ら加工・販売に取り組む「単独型」
  2. 農業者が2次や3次の事業者と連携して取り組む「連携型」

 農産加工品を自分で作ってみたい方、委託加工を考えている方、6次産業化の取組に関心をお持ちの方は、さいたま農林振興センターまでご相談ください。

6次産業に取り組む方への支援内容

・新商品開発や新たな販売方式に取り組むための計画作成支援
・計画実現に向けた各種相談と実践支援
・経営や加工などの研修会、情報交換会の開催
・商品PR会の開催 等

お問合せ先:さいたま農林振興センター 新規就農・法人化担当 TEL048-822-1007

令和6年産小麦「さとのそら」の栽培管理について

広報誌「さいたま」2023年10月 No.283より

 今年も高温など様々な気象が続いています。基本技術を励行し、気候変動に強く、収量品質の良い小麦栽培を心がけましょう。

1 土づくり

 小麦はほ場のpH6.0~7.0を目安に石灰質資材で酸度を矯正しましょう。完熟たい肥の施用(1t/10a)や稲わらのすき込みで地力維持に努めましょう。

2 排水対策

 排水不良による湿害は、発芽不良など収量・品質低下の大きな要因です。弾丸暗きょで雨水の地下浸透を促すとともに、ほ場の外周やほ場内に5~10m間隔で明きょを掘り、ほ場表面の排水を良くしましょう。

3 適期・適量のは種

 種子は必ず更新し、種子消毒を行いましょう。は種適期は11月10日~25日です。早まきは過繁茂につながります。逆に遅すぎるとなまぐさ黒穂病やヤギシロトビムシの被害を招きます。は種量はドリルまきで6~8kg/10aを基準にし、天候不順等によりは種作業が遅れた場合は、は種量をやや多めにして苗立ち数を確保します。

4 肥培管理

 「さとのそら」の生育は後まさり型なので追肥をしっかりと施します。基肥は窒素成分で8kg/10a(例:化成肥料14-14-14なら60kg/10a程度)、追肥は窒素成分で3~4kg/10aを基準にします。追肥時期は茎立ち前の3月上中旬が目安です。一発肥料を用いる場合、窒素成分で10~13kg/10aを基準にします。施肥量は土壌分析の結果を元に調整してください。

5 麦踏み

 凍霜害防止や耐倒伏性向上等のため、本葉が3枚以上展開したら、年内に1回、茎立ちする前まで10日~2週間間隔で2回程度を目標に行いましょう。
 ただし、土壌水分が高い状態で実施すると土壌が締まり湿害を助長するため、天候や土壌の水分状態に注意しましょう。過乾燥の場合は、過剰な麦踏みでかえって生育を抑制する危険性があるため注意しましょう。

6 雑草防除

 除草剤は、は種後の土壌処理剤散布を基本に適期に散布します。は種後・散布前の土壌鎮圧は除草剤の効果を安定させます。ヤエムグラやカラスノエンドウなどの広葉雑草が発生している場合は茎葉処理剤を使用します。
 なお、前作でカラスムギが多発したほ場では、可能な範囲では種を遅らせ、それまでに発芽したカラスムギを耕うんにより枯らします。場合によっては休耕し、耕うんや非選択性除草剤でカラスムギの密度を減らすなどの対策も検討しましょう。

果樹類の芽接ぎについて 

広報誌「さいたま」2023年9月 No.282より

 接ぎ木は果樹類を繁殖させる場合に広く用いられている方法です。一般的には、樹液の流動が始まった春のお彼岸頃から実施される「枝接ぎ」が行われていますが、8月下旬~9月にかけて行われる「芽接ぎ」が技術的にも容易で、初めての方でもかなりの活着率が得られるため、おすすめの方法です。

盾芽接ぎ(T字型接ぎ)
  1. 穂木は当年生の新梢で、作業の直前に採取します。
  2. 穂木は充実した枝を選び、先端の充実していない部分と基部を除き、葉身を切って(葉柄は残す)準備します。
  3. 穂木の基部を持ち、芽の下1cmの部分から、切り出しナイフの先端で長さ1.5~2cm、芽の位置が中央に来るように、芽の裏側に木質部が少しつく程度の厚さに芽を削り取ります。
  4. 削った芽は乾燥しないように、水に漬けるか、口に含むなどします。
  5. 台木は平らな部分を選びT字形に形成層に達する切り傷を入れ、へら等で、接ぎ芽が入れられる程度に、樹皮を傷つけないようにはがします。この部分に、調整した接ぎ芽をしっかり挿入します。接ぐ場所はできるだけ北側(直射日光による乾燥を防ぐ)にします。
  6. T字の上部に出た余分の接ぎ芽の部分は、ナイフを入れて切り落とします。継ぎ芽が木質部に密着することが大切になります。
  7. 接ぎ木部は接ぎ木テープなどで雨水などが入り込まないように、接ぎ芽が動かないようにして芽だけを出して巻縛します。
  8. 芽接ぎ後10~15日過ぎて、葉柄が黄色くポロリと離れるようならば活着した証拠です。黒ずんで着いていれば失敗です。
  9. 活着したものは翌春、芽が伸びる前にテープをはがし、芽接ぎ部分より1cm上を剪定ばさみで切り、切り口に癒合剤を塗布します。

野菜類の降雨リスク対策について

広報誌「さいたま」2023年8月 No.281より

 近年、地球温暖化に伴うと考えられる気候変動により、降水量が100mmを超えるようなゲリラ豪雨が増加し、それに伴う冠水害の発生が増えています。そこで、冠水害を軽減させるための対策について紹介します。

冠水害発生の原因

①堆肥や緑肥作物等の有機物の投入不足

②ロータリ耕耘等による圧密層(耕盤・不透水層)の形成(トラクタ等の走行により地下30~50cmに圧密層ができる)
 また、品目別の耐水特性について、表1に、野菜の品目ごとに浸水や冠水がどの程度の時間続くと発生するのかを日数で表しました。
 トマト、キャベツ及びインゲンなどは、湛水、冠水日数1日で被害が発生し、ホウレンソウ、ナスなどは2~3日となっています。しかし、サトイモ、ヤマノイモなどは5日以上と耐水性が高く、湛水、冠水の影響を受けにくい品目となっています。


現地でのブロッコリー冠水被害のようす

表1 湛水・冠水害の品目別特性(H30広島県西部農業技術指導所資料より)

湛水時間並びに生育日数の違いと被害の関係

① 生育日数と被害率の関係

 表2は、品目別に生育日数ごとの被害率を示しています。ダイコン、ハクサイ及びキャベツは、播種または定植10~15日後の生育初期の被害率が、25~35%で最も高くなっています。

表2 生育日数の違いと被害率の関係(H30広島県西部農業技術指導所資料より)

冠水害の発生を削減させる対策として、

① 圧密層の心土破砕(プラソイラ・サブソイラ)、堆肥施用と部分深耕(オーガー)を利用します。
② 高畝栽培、畝の高さを10cm以上にします。
③ 畝のマルチ栽培や全面マルチ栽培を行うことにより、根が表層に多くなり冠水害を回避するこができます。
④ 冠水害の発生の恐れがあるほ場では、定植前に持続力の高い酸素供給剤を施用するか冠水した箇所や降雨のあとで泥はねがある箇所へ酸素供給剤を施用します。
さらに湿害発生の危険度に応じて、①生育初期の冠水害の回避②耐湿性品種の導入(品種の変遷が激しいのでメーカーのカタログ等を確認する)③高畝+マルチ栽培の導入④明渠排水の施工などほ場排水性の改善を組み合わせることが重要と考えられます。

令和6年度 埼玉県農業大学校学生募集

広報誌「さいたま」2023年7月 No.280より

 埼玉県さいたま農林振興センター農業支援部(電話048-822-1007)から、来年度農業大学校の学生募集についてお知らせいたします。
 埼玉県農業大学校は、農業及び農業関連産業の担い手養成を目的に、農業の生産から販売まで一貫して基礎から学ぶことができる実習を主体とする専修学校です。
 将来の農業の担い手を目指す仲間たちとともに、農業の基礎知識と基本的な栽培技術を身につけて、農業分野での活躍に向けた一歩を踏み出しませんか。

入学願書など出願に必要な書類は埼玉県農業大学校のホームページからダウンロードできます。
オープン見学会や農業実習体験講座も開催します。
この機会に足を運んでみませんか。
詳細は農業大学校ホームページで御確認ください。
募集人員
課程 学科名 定員
2年課程 野菜 30名 90名
水田複合 5名
花植木 15名
酪農 5名
1年課程 短期農業 35名
試験日程
入試区分 出願期間 試験日
推薦入試 令和5.10.1(日)~10.10(火) 令和5.10.26(木)
一般入試 2年課程 令和5.11.1(水)~11.10(金) 令和5.11.28(火)
1年課程 令和6.1.4(木)~1.10(水) 令和6.1.25(木)

※ 一般入試(2年課程)で定員が満たされない専攻については、追加募集を行う場合があります(一般入試(1年課程)の試験と同日に実施します)
※ 高等学校を既卒の方が農林振興センター所長からの推薦を希望する場合は、令和5年9月11日(月)までとなっていますが、早めに農林振興センターまでご相談ください。

管内の卒業生紹介~~農業大学校へ行って夢への第一歩をふみだそう~~
小澤将伍(おざわしょうご)さん(さいたま市で就農)

平成31年度短期農業学科短期野菜専攻卒業

 自宅は農家でしたが、大学では別分野を学んでいました。就職活動中に自分のやりたいことを見つめた結果、農業で成功したい気持ちが大きくなり、埼玉県農業大学校へ進学しました。
 学生時代から家の農作業を手伝っていましたが、基本作業(種まきや水やりの仕方等)を基礎から学んだことが、今の栽培に活かされています。
 短期農業学科は様々な年代の同じ志を持つ方と一緒に学ぶことができ、刺激のある楽しい学校生活を送ることができました。
 我が家は3世代で農業をしていますが、それぞれが異なる品目を担当しています。私は主にイチゴを担当し、夏はトウモロコシ、エダマメ、ナスなどの野菜を作付けています。自宅直売所やJA直売所、一部のスーパー等で販売していますので、よろしければご賞味ください。


水稲の中干し~穂肥の管理について

広報誌「さいたま」2023年6月 No.279より

1.生育状況、気温の推移

 4月中旬の気温は、高く推移し、苗が伸びやすい環境でした。
 気象庁発表(4月27日)の3か月予報によると、5月は晴れの日が多く、6月は平年と同様に曇りや雨の日が多いが気温は高く、7月の期間前半は曇りや雨の日が多く後半は晴れの日が多い、気温は平年並みかそれ以上で推移する見込みです。
 今後、高温に対応した水管理で品質を確保し、適正施肥で食味の向上を目指しましょう。

2.中干しの時期の目安

 中干しは、倒伏防止・健全な根の育成・無駄な分げつの抑制・地耐力の向上等の効果がある重要な作業となります。
 開始時期:1株当たりの茎数がコシヒカリ20本、彩のきずな25本程度になったら実施
 実施期間:7〜10日
 実施程度:土が湿って足跡が残る程度

3.穂肥施肥時期の目安

 穂肥時の理想的な稲姿は、葉色が3.0~4.0で葉が立ち、朝露がのってもなびかないような稲です。穂肥時期は幼穂長で判断してください。

品種 穂肥時期 幼穂の長さ 葉色(葉色カラースケール)
コシヒカリ 出穂18日前 10~15mm 3.5~4.0
彩のきずな
彩のかがやき
出穂25日前 1~2mm 4.0~4.5

施肥時期
・早すぎる 節間が伸びすぎることで倒伏しやすくなる
・遅すぎる 食味が低下する傾向(玄米のたんぱく含有率があがるため)

4.ヨードカリ反応による施肥量の目安

①コシヒカリ:出穂18日前、彩のきずな:出穂25日前の生育が平均的な株の主茎を株元から取る
②展開している葉から数えて3枚目の葉鞘を茎の付け根から取る
③葉鞘部分を十分につぶしてから柔らかくし、ヨードカリ液(うがい薬でも可)を浸す

「染色率(%)=染色部の長さ÷葉鞘全体×100」

品種 葉色 染色率 窒素施肥量
コシヒカリ 4.0以下 50%以上 1.2~2kg/10a
彩のきずな
彩のかがやき
4.0~4.5 50%以上 2~3kg/10a

近年問題となっている難防除病害虫の防除対策について

広報誌「さいたま」2023年5月 No.278より

 近年、温暖化の気象の影響を受けこれまで大きな被害が無かった病害虫が異常に発生したり、新しい種類の被害が顕在化しています。そこで、夏期を中心に問題化しやすい難防除病害虫対策について紹介します。

水稲を加害するスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)について

 スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)は、移植直後の水稲苗を食害する貝で、JAさいたま管内では荒川沿いの水田に生息しています。近年の暖冬の影響により生息密度が高まり、被害水田が増加しています。

 本貝は寒さに弱く、冬期の気温と水田内越冬死亡率の間に相関関係が認められます。その関係式に今冬のさいたま市のアメダス平均気温(12月~2月)を当てはめると、越冬死亡率は52%でした。同様に算出した昨年の越冬死亡率は61%でしたので、今年越冬後の本貝の生息密度は昨年よりやや多いと予想されます。

 これからの対策として、田植え前までに取水口や排水口に網目10mm程度のネットや金網を設置し、本貝の水田への侵入を防止しましょう。また、田植え後2~3週間は4cm以下の浅水管理として貝の活動を抑制します。貝の密度が高く食害が予想される水田では田植え後にスクミノンやスクミンベイト3などの防除薬剤を施用しましょう。なお、深水となった部分で貝の活動が活発で被害が生じやすいため、水田内を均平に保ち、水深が深くなる場所を減らすことが重要です。

ネギを加害する新系統のネギハモグリバエについて

 数年前から従来とは別の新系統(B系統)が出現し、幼虫がネギの葉を白い筋状に食害して、葉が白化・枯死するため劇症化し収量・品質の低下を招き、当JA管内でも大きな問題となっています。成虫は体長約2mmの微小なコバエに似た虫で、葉の組織内を白色斑点状に食害しながら産卵します。ふ化した幼虫は葉の内部に潜り込んで葉肉を食害します。幼虫はうじ虫状で体長4mm程に成長すると葉から脱出し、地表や土中で蛹となります。その後、蛹から羽化した成虫はネギの葉に産卵を繰り返しふ化幼虫が加害を続けます。

 栽培期間の長いネギでの防除対策のポイントは、発生初期から生育ステージごとに薬剤防除を徹底することが重要です。効率的で効果的な防除として、定植時や土寄せ時には適宜ダントツ粒剤等の粒状殺虫剤を株元散布することをお薦めします。有効成分が土壌中に残効するため蛹の生息密度を下げることができ、茎葉部への浸透移行性もあるので葉肉中の幼虫を殺虫することができます。薬剤散布には、抵抗性を発達させないようにハチハチ乳剤やカスケード乳剤等の作用性の異なる適用殺虫剤を使用してください。また、被害葉や収穫残さは本虫の発生源となるので、調製後の残さ等はほ場や作業場付近に放置しないで、廃棄場所を決めて土中深くに埋没するなど適切に処分しましょう。

ウメやモモ等を加害するモモヒメヨコバイについて

 モモヒメヨコバイは、埼玉県では令和2年9月に初発生が確認された新しい害虫で、当JA管内では盆栽用のウメ苗木や枝物用のハナモモ等に被害が散見されています。被害の特徴は、成虫及び幼虫が葉を吸汁加害し、葉全体が吸汁されて多数の細かい吸汁痕ができるため被害葉は白化します。激発すると早期落葉することがあります。

 発生生態には不明な点が多いですが、国内ではウメのほかモモ、スモモ、アンズ、オウトウ等のバラ科果樹を加害することが判明しており、今後の発生拡大に注意が必要です。防除対策には、春期から発生に注意し、7月~8月にはアブラムシ類などと同時に防除できるアグロスリン水和剤等の防除薬剤を葉裏まで丁寧に散布してください。

緑肥作物を活用した春夏野菜の栽培

広報誌「さいたま」2023年4月 No.277より

 緑肥作物は、これまで有機物補給を主目的とし連作に伴うセンチュウ等の土壌病害虫の被害軽減なども目的に作付利用されてきました。そのため、主作物の休閑期に輪作物として作付するため、栽培期間の長い作物では土地利用率が低下し、収益にも影響するなどの問題がありました。そこで、今回はその影響が少ない春から夏に作物のうね間に作付(間作)する「リビングマルチ」、畑の周囲に作付する「障壁作物」の2タイプの緑肥作物について種類や利用法を紹介します。これらの緑肥作物の利用は、環境保全に役立つ技術として全国的に導入・取組みが増加しています。お読みいただき、環境にやさしい野菜づくりにご活用ください

1.緑肥作物のリビングマルチとしての活用と効果

 リビングマルチとは、栽培作物の播種前にすき込んで利用するのではなく、栽培中に生育を維持しながら地表面を覆って利用する緑肥作物の種類をさします。野菜や畑作物では一般的に間作として、果樹園では下草として利用するものです。リビングマルチを利用する目的には、有機物補給、土壌保全(流亡や緻密化の防止)、地温上昇抑制、天敵温存などがありますが、最も期待される効果は雑草抑制です。そのため、リビングマルチの作付効果を得るためには、雑草の発芽・成長を抑えながら栽培作物の生育は抑制しないという特性を持った種類・品種を利用することが大切です。温暖期に栽培する春夏野菜でリビングマルチに向く緑肥作物には、昨年9月号で紹介したヘアリーベッチは伸長する茎葉が栽培作物を覆ってしまいやすいので不向きで、野菜の生育にあわせて早く生育するオオムギなどの麦類が適しています。麦類は、春から初夏に播種すると低温期を経過しないために出穂せずに茎葉が旺盛に成長し、地表面を覆って雑草の発生を抑制します。また、夏の気温の上昇に伴って茎葉が枯れ上がって地表面を覆って、敷きわらの役割を発揮し、土壌の乾燥防止や地温の上昇抑制等の近年温暖化傾向の気象変動に対する軽減効果を得ることができます。表1に、リビングマルチに適した麦類の緑肥作物の品種を紹介したので、各品種の特性を理解して導入してください。

 利用場面には、根深ネギの秋冬どり栽培のうね間への作付、ナス、オクラ、カボチャ、サトイモ等の夏野菜のうね間への作付などがあります。この中で、埼玉県北部でも導入が進んでいる根深ネギへの利用について概要を紹介します。根深ネギのリビングマルチに利用されている大麦は、品種は「マルチムギワイド」や「らくらくムギ」等で播種から枯上がるまでの期間が比較的短いものを使用します。播種はネギを定植する5月~6月に行い、定植後または1~2回目の土寄せ後頃に、手押しの播種機(ごんべい、クリーンシーダー等)を使用してうね間に条播します。ネギの生育が停滞する7月~8月の間にリビングマルチの大麦はうね間を被覆するまで生育し、管理機で土寄せ作業を開始する8月下旬以降には大麦の茎葉は枯死するため土寄せ作業の障害になることはありません。この利用法では、①地温上昇抑制効果(2~4℃低下)、②湿害軽減効果(透水性改善)、③天敵温存効果(すみかになってネギアザミウマ等害虫被害を軽減)なども確認され、ネギの収量・品質が高まっています。

 長期栽培するナス等では、生育が早く長期間茎葉が生育する品種を使用し、播種は定植と同時にうね間に行うのがポイントで、栽培中の乾燥防止や土跳ねによる疫病など病害軽減効果も期待されます。

 なお、リビングマルチに使用する麦類の種子は、緑肥作物用品種が適していますが、麦作している方は調製の際に出る「くず麦」の種子も使用場面によっては利用できるので活用すると良いでしょう。


リビングマルチを利用したネギ栽培

2.緑肥作物の障壁作物としての利用と効果

 台風シーズンを経過するナスやオクラ等の夏野菜では、強風によるすれ果や倒伏等の障害を受ける機会が多くなります。畑の周囲には防風対策としてソルガムなど草丈の高くなる緑肥作物を利用して障壁状に作付しましょう。防風抑制効果を早く高めるためには緑肥作物は定植と同時に播種することが大切で、作付することで天敵温存によって農薬散布回数の低減や農薬飛散防止など環境負荷低減に役立ちます。

田植え前後の管理のポイントについて

広報誌「さいたま」2023年3月 No.276より

 今年も田植え準備の季節を迎えました。田植え前後の管理のポイントを紹介します。

土づくり

 土づくりの基本は、稲ワラや籾殻のすき込み、堆肥の施用、土壌改良資材(特にケイ酸資材)の施用等です。特に期待した収量が得られない水田では、土づくりの基本を励行することで、地力の回復を図り、収量の向上を目指しましょう。

耕うん・代掻き

 作土深15cmを目標に深耕を心がけます。深耕により根域が拡大し、根張りが良くなり生育後半まで光合成量が維持できることで夏期の高温障害を回避し、玄米品質・収量の安定につながります。また、耕うん・代掻き時に田面を均平化することで、適正な水深が保てるようになり除草剤の効果を確保することができます。

育苗

 浸種は、種子容量の2倍程度の水量で行い、水温10~15℃とし、積算温度が約100℃になるまで続けます(浸種の目安は10℃で10日間、15℃で7日間)。浸種期間中は種籾の酸欠を防ぐため2~3回水を交換します。

 催芽は、30℃を目標に1~2日間、ハト胸状態の籾が80%以上になるまで保温します。

 播種後、芽が1cmくらいになったら日中20~25℃・夜間15~18℃とし、日中の強日射時は遮光、夜間は保温をします。かん水は午前10時までに行います。

 草丈が4cmくらいになったら、苗を外気に慣らすため、日中15~20℃・夜間10~15℃で管理します。水管理は1日1回、午前中に十分にかん水し、苗が大きくなり床土が乾いたり、葉が巻き始めた場合には追加のかん水を行います。

雑草防除

 水稲除草剤の効果を十分に発揮させるには、除草剤処理後最低でも3~4日間は、湛水状態を保つ必要があります。また、ジャンボ剤、豆つぶ剤やFG剤のように自己拡散する除草剤を散布する際は、水深が浅いと薬剤の拡散が不十分となり、除草効果の低下の原因となるので6~7cm以上の水深を確保したうえで水の出入りを止めましょう。

病害虫防除

 苗立枯病は異なる数種類の菌(カビ)が原因で発生します。これらの菌は、土壌や育苗箱等の育苗資材が主な伝染源です。対策として、育苗箱等の育苗資材はよく洗浄し、イチバンまたはケミクロンGで消毒します。特に、温湯消毒した種籾は苗立枯病菌が繁殖しやすいので、育苗資材は必ず消毒してください。なお、温湯消毒後の種籾をタフブロック等の微生物農薬(農薬使用回数にカウントされない)で種子消毒することも苗立枯病対策に有効です。

 イネミズゾウムシや縞葉枯病を媒介するヒメトビウンカ等の害虫対策やいもち病等の病害対策には育苗箱処理剤による防除が効率的です。箱処理剤は、栽培品種やその地区・作型で問題となる病害虫の種類と発生量を考慮して選択しましょう。

 スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の発生田では、水深の深い部分ほど貝の活動が活発でイネの被害が集中します。このため、耕うんや代掻き時には、圃場の凹凸をなくすように作業を行います。また、田植え後は、浅水管理とし本貝の活動を抑制しましょう。

水稲用一発肥料のプラスチック殻の対策

 水稲用一発肥料は、プラスチック等で肥料をコーティングしています。肥料成分が溶出した後のプラスチックの殻が河川や海へ流出することが問題となっています。このため、水田内に残ったプラスチック殻は水田から流出させないようにしましょう。その方法は、浅水で代掻きを行い、移植前の落水は自然落水を主としましょう。強制落水を行う場合は、水尻にネット等を設置してプラスチック殻を収集します。

じゃがいもの植え付けポイントについて

広報誌「さいたま」2023年2月 No.275より

 埼玉県では春先の少しずつ暖かくなる頃から春じゃがいもの植え付け適期に入っていきます。良い種いもを準備し、作り方のポイントを確認しながら収量アップを目指しましょう。

1 種いもの用意と保管

 じゃがいもは病害虫に弱い作物で、種いもの良し悪しが収量や品質に大きく影響します。種いもは毎年更新し、必ず検査に合格した種子用の種いもを使うようにしましょう。品種は古くから知られている「男爵」「メークイン」の他、「キタアカリ」(粉質で良食味)や「インカのめざめ」(甘味強く良食味)、「アンデス赤」(紅色の皮が特徴)など様々な品種が流通しており、用途にあわせて選択しましょう。購入した種いもは乾燥、通気不足、濡れなどに注意し、できるだけ涼しい環境(2℃以上)で保管しましょう。

2 植え付け準備

 植え付け前に芽出しをおこなった方が、安定した収量・品質が得られます。種いもを明るい乾燥条件下で加温(6~20℃)して萌芽を促し、光を当てて3~5mm程度の丈夫な芽を育てましょう。

 大きい種いもは1片が30~60g程度になるように、かつ、各片に正常な芽が複数個均等につくように切り分けます。芽は頂部に多いため、縦に切り分けるようにします(図1)。病気の蔓延を予防するため、切断に使用する包丁はできるだけ毎回消毒するようにしましょう。切った種いもは風通しの良い場所に置き、切り口を乾かしましょう。

3 植え付け

 関東での春じゃがいもの植え付け時期は2月下旬~3月とされていますが、その年の気温・天候、植え付け場所等により調整しましょう。あまりに早く植え付けすると、地温が低く芽が伸長してこない可能性がある一方、植え遅れるといもの生育期間を十分に確保できずに肥大に影響したり、生育後半に病害が発生し収量が減少する可能性があります。

 植え付ける際は、排水の良い場所を選び、うね間70cm程度、株間30cm程度で種いもの切り口を下に向けて植え付けましょう(図2)。前作で同じナス科のトマトやなすを栽培した畑や、ほうれんそう等を栽培し石灰が多くなっている畑は避けるようにしましょう。植え付け後は適宜土寄せをおこない、いもの表面が光に当たらないように注意しましょう。

これからの小麦の栽培および病害虫管理について

広報誌「さいたま」2023年1月 No.274より

 小麦の播種時期である昨年11月は、気温が平年よりやや高く推移しました。また、降水量は、上中旬は少雨に経過しましたが、下旬にまとまった降雨がありました。このため、JAさいたま管内の適期に播種された小麦の出芽・苗立ちは概ね順調で、その後の生育は平年並~やや進んでいます。ここでは、これからの小麦の栽培・病害虫管理のポイントについて紹介します。

踏圧(麦踏み)

 踏圧は、①霜柱による根の浮き上がりを防ぐ、②生育の進んだ茎の生育を止め、生育を揃える、③分げつの発生を促進する、などの効果があります。小麦が2葉期を過ぎたら年内に1回、その後、茎立ち前までに数回の踏圧を実施しましょう。

追肥

 小麦は栽培期間が長く、肥料切れを起こしやすい作物です。「さとのそら」では、全量基肥栽培を除き、追肥により品質・収量の向上を図ります。「さとのそら」の追肥は、茎立ち期直前(3月上中旬)に窒素成分で3~4kg/10aの追肥を行います。なお、タンパク質含量の向上には出穂2週間前(4月上旬)の追肥が有効です。

雑草防除

 生育期に雑草が繁茂した場合は、スズメノテッポウに対してはハーモニーDFを、広葉雑草ではアクチノール乳剤やエコパートフロアブルなどを散布します。一方、ネズミムギ(イタリアンライグラス)に対しては、小麦3葉期までにリベレーターフロアブルを散布すると発生数を抑制できます。なお、薬剤により使用時期・使用量が異なりますので、確認のうえ使用してください。

病害虫防除

 「赤さび病」は、4月中旬頃から発生し、多発すると収量および品質が低下します。防除適期は4月上旬から5月上旬です。防除薬剤にはアミスター20フロアブル、カナメフロアブル、シルバキュアフロアブルなどがあり、これら薬剤は「うどんこ病」に対しても効果があります。
 「赤かび病」は、小麦の各部位に発生しますが、穂での発生が最も問題となります。本病菌は人や家畜に中毒を起こすカビ毒を産生するため、赤かび粒が混入すると出荷ができなくなるので、本病の防除は必ず実施する必要があります。開花期(出穂後7~10日頃)が最も感染しやすい時期ですので、開花期に防除を行います。また、降雨等による湿潤条件が本病の発生を助長するため、小麦の開花期後に曇雨天が続き多発のおそれがある場合は、開花期の10~14日後頃に追加防除が必要となります。防除薬剤にはトップジンM水和剤、シルバキュアフロアブル、ストロビーフロアブルなどがあります。

 害虫類では、出穂後の穂にアブラムシ類が多発すると登熟不良となり品質が低下します。多発生のおそれがある場合は防除が必要です。「アブラムシ類」の防除薬剤にはトレボン乳剤やモスピラン水溶剤などがあります。


コムギ赤さび病


コムギ赤かび病

ぶどうせん定の単純化に向けて短梢せん定を導入しましょう

広報誌「さいたま」2022年12月 No.273より

1 短梢せん定とは

右図:短梢せん定のイメージ図
結果枝は4月以降に発芽して伸長する。
結果枝10本に1本は着果させず空枝にして養分供給する枝とします。(黒:主枝、青:結果母枝、赤:結果枝)

2 せん定方法

(1)通常は基部の1芽を残します。結果枝の誘引を考えると、残す芽は横芽が好ましいです。

(2)切り口は癒合剤を必ず塗布しましょう。癒合剤は枝の枯れこみや、病気の侵入を防ぎます。

(3)発芽後は、新梢の勢力等見ながら基部の芽(横芽又は上芽)を優先して残しましょう。

3 結果母枝が欠損している場合

(1)1芽が欠損している場合
前後の結果母枝に2芽残しましょう。

(2)連続して欠損している場合
先端側の結果母枝を長く切り、主枝に沿わせるように誘引して芽を活用しましょう。

4 主枝の先端のせん定

主枝の延長枝は、伸長量の約1/2の長さで切除します。伸長量が多い場合も20芽以下にしましょう。また、延長枝部分は2月下旬から3月上旬頃に芽傷を入れて、発芽を促しましょう。

農業経営の法人化を進めましょう! ~無料相談会を利用しませんか?~

広報誌「さいたま」2022年11月 No.272より

 農業経営の法人化には、①農業経営の高度化・効率化、②対外信用力の向上、③優れた人材の確保、④経営継承の円滑化(相続対策)、⑤税の軽減 など、多くのメリットが期待できます。「法人化」は経営を発展・継続させるための『手段』であり、特別なことではありません。「ウチは関係ない」と思わず、先ずは検討してみませんか?

 さいたま農林振興センターでは、法人化メリット・手続きなどの説明のほか、専門家による個別相談会を開催しています。個別相談会の費用は無料です。法人化や雇用の導入、販売促進など、頭の中で描いている経営イメージの具体化に向け踏み出してみませんか。

個別相談会は、法人化だけでなく、下記の幅広い内容での対応が可能です!

主な専門家の項目 主な相談内容 費用 備考
税理士 法人化のメリット、適否 など 無料 ・相談はご自宅又は当センターで行います。
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・先に経営状況やご意向をお伺いします。
・日程は個別に調整させていただきます。
社会保険労務士 雇用契約の留意点、労務管理制度(雇用ルール、社会保険) など
行政書士・司法書士 法人化メリット、手続き など
弁理士 商標登録 など
中小企業診断士 経営分析、経営計画、承継 など
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※相談内容等によっては、ご希望に添えない場合もありますのでご了承ください。

【知っていますか? 農業の6次産業化】~埼玉県は6次産業に取り組む方を支援しています~

 「6次産業化」とは、農業者が農産物の生産、加工、流通販売まで主体的に行い、付加価値を生み出そうとするものです。

 1次(農産物の生産)×2次(加工)×3次(流通・販売)=6次産業化

 6次産業化の取組みには、① 農業者が生産から販売まで全て取り組む「単独型」 と ② 2次・3事業者と連携して取り組む「連携型」があります。
 農産加工品を自分で作ってみたい方、委託加工を考えている方、6次産業化の取組に関心をお持ちの方は、さいたま農林振興センターまでご相談ください。

6次産業に取り組む方への支援内容

・新商品開発や販売方式に取り組むための計画作成支援
・計画実現に向けた各種相談
・6次産業化に向けた研修会の実施  等

令和5年産小麦「さとのそら」の栽培管理について

広報誌「さいたま」2022年10月 No.271より

今年も様々な異常気象が発生しています。基本技術を励行し、気象災害に強く、収量品質の良い小麦栽培を心がけましょう。

1 土づくり

 土壌pHが酸性(pH6.0より下)になっていませんか? 小麦ではpH6.5(6.0~7.0)を目安に石灰質資材で酸度矯正を行いましょう。完熟たい肥の施用(1t/10a)や稲わらのすき込みで地力維持に努めましょう。

2 排水対策

 排水不良による湿害は、発芽不良など収量・品質低下の大きな要因です。弾丸暗きょで雨水の地下浸透を促すとともに、ほ場の外周やほ場内に5~10m間隔で溝を掘り、ほ場表面の排水を良くします。掘った溝は必ずほ場外の排水溝に接続してください。

3 適期・適量のは種

 種子は必ず更新し、種子消毒を行いましょう。は種適期は11月10日~25日です。早まきは過繁茂につながります。逆に遅すぎると収量の低下やヤギシロトビムシの被害を招きます。は種量はドリルまきで6~8kg/10aを基準にし、天候不順等によりは種作業が遅れた場合は、は種量をやや多めにして苗立ち数を確保します。

4 肥培管理

 「さとのそら」の生育は後まさり型なので追肥をしっかりと施します。基肥は窒素成分で8kg/10a(例:化成肥料14-14-14なら60kg/10a程度)、追肥は窒素成分で3kg/10aを基準にします。追肥時期は茎立ち直前の3月上旬が目安です。一発肥料を用いる場合、窒素成分で10~13kg/10aを基準にします。なお、土壌分析を行い施肥量は調整してください。

5 麦踏み

 凍上害防止や耐倒伏性向上等のため、本葉が3枚以上展開したら、年内に1回、茎立ちする前までに2回を目標に行いましょう。

6 雑草防除

 除草剤は、は種後の土壌処理剤散布を基本に適期に散布します。は種後・散布前の土壌鎮圧は除草剤の効果を安定させます。ヤエムグラやカラスノエンドウなどの広葉雑草が発生している場合は茎葉処理剤を使用します。
 なお、前作でカラスムギが多発したほ場では、可能な範囲では種を遅らせ、それまでに発芽したカラスムギを耕うんにより枯らします。場合によっては休耕し、耕うんや非選択性除草剤でカラスムギの密度を減らすなどの対策も検討しましょう。

表1 小麦の除草剤(土壌処理剤)例

農薬名 使用量/10a 使用時期 使用回数
ボクサー 400~500ml は種後~麦2葉期(雑草発生前~発生始期)  2回以内
ガレース乳剤 200~250ml は種後出芽前(雑草発生前) 1回
リベレーターフロアブル 60~80ml は種後~麦3葉期(雑草発生前~イネ科雑草1葉期まで) 1回
クリアターン細粒剤F 4~5kg は種直後(雑草発生前) 1回

【令和4年8月30日現在の登録内容で作成】

秋まき緑肥作物による野菜畑の土づくり

広報誌「さいたま」2022年9月 No.270より

 野菜畑の土づくりは有機物の施用が基本で、具体的には堆肥の施用を励行していると思います。しかし、家畜糞堆肥は施用効果が高い反面、供給元の畜産農家の減少や散布労力負担増などを背景に堆肥の施用量は減少傾向にあり、今後土壌が劣悪化することが心配されています。そこで、堆肥の代替として有機物の補給効果の高い緑肥作物を作付する土づくりにも積極的に取り組みたいものです。緑肥作物には春まきと秋まきと大別されますが、これからのシーズンに取り組める秋まき用緑肥作物の種類と効果的な利用方法ご紹介します。

1.秋まき用緑肥作物の種類と作付による効果

 春まき用緑肥作物ではイネ科のソルガム類など旺盛な生育量で有機物の供給効果の高い種類が多いですが、秋まき用緑肥作物は越冬して春に成長した茎葉部を有機物として供給する緑肥類で有機物の供給効果に加え土壌の透水性の改善や窒素の供給などの効果を持つ種類があります。

 秋まき用はイネ科とマメ科に大別され、それぞれの種類・品種の作付効果は表1のとおりです。イネ科の緑肥作物はエンバク類とライムギ類ですが、いずれも冬期に土壌表面を被覆して生育するため、表土の風食や雑草抑制等の土壌保全的効果が高く、秋まき用の中では生草収量を確保しやすいです。また、作付けによってアブラナ科野菜に発生する根こぶ病やダイコン・ニンジン等の発生するキタネグサレセンチュウの密度抑制効果の高い種類もあるので、これらの土壌病害虫の被害が大きいほ場では作付をお薦めします。マメ科の緑肥作物にヘアリーベッチとクリムソンクローバがありますが、いずれも越冬中も茎葉が土壌表面を覆う様に生育するため春先の雑草を抑制する効果が高く、根部に共生する根粒菌が空中窒素を固定し、鋤込み後には土壌中に20kg/10aほどの窒素分を供給すると言われています。上手に利用すると窒素肥料を削減できるので、肥料高騰対策として活用しましょう。また、いずれの緑肥作物とも根が土中深くまで伸長して土壌に亀裂を作って土壌の透水性を高める効果も期待できます。

 このほか、アブラナ科のシロガラシやチャガラシ等には、茎葉や根部に含有する辛味成分がネギ類に発生する黒腐菌核病を殺菌するなど土壌病害虫の増殖を抑制する品種もあるので、利用すると良いでしょう。

2.緑肥作物の効果的な利用方法

 適正な土づくりと施肥を行っているほ場に輪作物として緑肥作物を作付すれば、以上の効果を得ることは可能ですが、今まで不耕作地であったり客土を行った養分の少ないほ場に作付して土づくりを行う際には、土壌診断を行って適正な土壌pHの矯正や不足養分を補給するなどの対策を行ってください。管内でも土壌が酸性のために生育不良となる事例が見られています。施肥は、前作物の養分残存量が多い場合には無施肥で栽培できますが、休閑期間が長い場合には、窒素・りん酸・加里とも各5kg/10a程度施用してください。

 播種は、手押し式の野菜播種機等を利用して条播する方法と手まきや散粒器で散播する方法がありますが、いずれも覆土の厚さは種子の大きさの3~5倍とし、十分に鎮圧を行って土壌水分を確保することが発芽を良好にするポイントです。適期に播種することも大切で、播種が遅れると発芽と初期生育が悪くなって雑草繁茂の影響を受けやすくなるので守ってください(特にエンバク類)。

 鋤込み時期は、4月~5月となりますが、イネ科では出穂始期、マメ科では開花始期を過ぎると分解の時間がかかって後作の野菜の生育に影響が出るため、それ以前に刈取り・細断・鋤込み作業を行いましょう。もし鋤込みから作付までに期間がある場合には、ハンマーナイフモア等を利用して細断して土壌表面に散布して鋤込みするまで乾燥・放置して雑草の発生を抑制にする利用方法もお薦めです。

表1 秋まき緑肥作物の主な種類・品種と効果
区分 作物種類 品種名 緑肥作物の作付効果 播種適期
(月旬)
備考(有効な病害虫等)
有機物補給 窒素固定 透水性改善 土壌保全 景観美化 病害虫抑制
イネ科 ライムギ ダッシュ 9中~11中 根こぶ病
R-007※ 9下~12中 キタネグサレセンチュウ
エンバク野生種 ニューオーツ,ソイルセイバー,ヘイオーツ,ネグサレタイジ 10中~11下 根こぶ病,キタネグサレセンチュウ,キスジノミハムシ
エンバク ヒットマン※ 10中~11上 サツマイモネコブセンチュウ(春まき)
マメ科 ヘアリーベッチ まめっこ,まめ助 9上~11上
クリムソンクローバ くれない,シストル,デクシー 9上~11上 ダイズシストセンチュウ
アブラナ科 カラシナ類 地力,辛神,黄花のちから 10中~11中 黒腐菌核病,サツマイモネコブセンチュウ

注1)効果の標記:◎ 非常に高い、〇 高い
注2)※マークのライムギ・エンバクの品種:アブラナ科野菜に発生する黒斑細菌病に耐病性を持つ

適期収穫・適切乾燥で良質なお米に仕上げましょう!

広報誌「さいたま」2022年8月 No.269より

1 収穫準備

 事前にコンバインや乾燥機等の「点検」、「清掃」を行いましょう。
 早期落水は品質低下や減収を招く恐れがあるので、出穂30日までは間断かん水を行い、出穂30日以降に落水するようにしましょう。

2 刈取適期について

 刈取り適期は「登熟積算温度※」、「帯緑色籾割合」、「出穂後日数※」を参考に、総合的に判断します。

(表・図参照)

品種名 登熟積算温度(℃) 帯緑色籾割合(%) 出穂後日数(日)
コシヒカリ 950~1150 15~10 34~42
彩のかがやき 1000~1250 50~25 42~55
彩のきずな 900~1200 50~10 32~44

 ※登熟積算温度・・・出穂期からの日平均温度を足し算し続けた温度
  出穂後日数・・・田んぼ一枚の中で40~50%の株が出穂した状態(出穂期)からの経過日数


図1 帯緑色籾の見分け方
帯緑色籾…籾にわずかでも青みが残っている籾のこと


図2 帯緑色籾割合の見分け方
1穂の中で青みが残っている籾の割合を確認する。
(帯緑色籾割合=1穂中の帯緑色籾数/1穂籾数×100)

3 乾燥作業について

 乾燥仕上げの水分は14.5~15%に調整しましょう。また、高水分もみを高温乾燥すると、胴割れ米等が発生し、品質低下の原因となるので送風温度は40℃以下にしましょう。
 乾燥終了後は十分な放冷を行ってから、籾すりを行ってください。
 使用するライスグレーダーの網目は1.8mm以上のものを選び、適正な流量を守り整粒歩合を高めましょう。

4 次年作への準備

 イネ収穫後のひこばえ(再生株)はイネ縞葉枯病を媒介するヒメトビウンカ(害虫)等の生息場所となるため、収穫後は速やかに耕うん・すき込みを心掛けましょう。

令和5年4月入学 埼玉県農業大学校学生募集

広報誌「さいたま」2022年7月 No.268より

 埼玉県さいたま農林振興センター農業支援部(電話048-822-1007)から、来年度農業大学校の学生募集についてお知らせいたします。
 埼玉県農業大学校は、農業及び農業関連産業の担い手養成を目的に、農業の生産から販売まで一貫して基礎から学ぶことができる実習を主体とする専修学校です。
 将来の農業の担い手を目指す仲間たちとともに、農業の基礎知識と基本的な栽培技術を身につけて、農業分野での活躍に向けた一歩を踏み出しませんか。

募集人員
課程 学科名 定員
2年課程 野菜 30名 90名
水田複合 5名
花植木 15名
酪農 5名
1年課程 短期農業 35名

 大学校では個別見学をお受けしておりません。日曜オープン見学会・個別相談会で見学・確認をお勧めします。
 参加時には、検温、マスク着用などご協力願います。
 入学願書など出願に必要な書類は埼玉県農業大学校ホームページからもダウンロードできます。
 詳細は大学校ホームページでご確認ください。

試験日程
入試区分 出願期間 試験日
推薦入試 令和4.10.1(土)~10.11(火) 令和4.10.27(木)
一般入試 前期 令和4.11.1(火)~11.11(金) 令和4.11.28(月)
後期 令和5.1.4(水)~1.11(水) 令和5.1.26(木)

※ 一般入試前期で定員が満たされた専攻は、一般入試後期の試験を実施しない場合があります。定員が満たされない専攻については、追加募集を行う場合があります。最新の情報については、大学校ホームページでご確認ください。

日曜オープン見学会・個別相談会等 ※開催日の3日前までに電話等で申込が必要です※

・開催 7月17日、9月4日、10月2日、11月6日、12月18日(いずれも日曜)
 午前の部(見学会:概要説明、校内見学)10時~12時
 午後の部(7月は見学会、9月以降は個別相談会で希望者のみ)13時30分~15時30分

・申込 電話:大学校 048-501-6845(土日、祝日を除く8時30分~17時15分)
 E-mail:大学校ホームページから電子メールでの申し込みも可能です。

〇このほか、大学校での実習体験講座(8月26日)、大宮駅周辺での夜間相談会(8月19日19時)を予定。詳細は大学校ホームページでご確認ください。

農作物の夏越し対策

広報誌「さいたま」2022年6月 No.267より

1 水稲の高温障害対策について

 水稲は出穂後20日間の日平均気温が26℃前後を超えると、白未熟粒(乳白粒、背白粒、基部未熟粒)や胴割粒が発生し、玄米品質が低下します。これは高温により籾へのデンプンの転流・蓄積が阻害されるためで、根の活力低下と登熟期の養分不足がこれら高温障害を助長します。対策として根の活力を維持するため、中干しを確実に行い、穂揃い期以降は間断かん水を行います。また、ケイ酸は根の活性を維持するので、基肥にケイ酸資材を施用していない水田では、けい酸加里などを出穂30~40日前頃に施用しましょう。このほか、出穂後に養分不足にならないよう穂肥は確実に実施し、基肥一発肥料の水田でも葉色が淡い場合は穂肥を行いましょう。さらに、早期落水は品質低下を助長するので、可能な範囲で落水を遅くするとともに刈り遅れに注意してください。

2 野菜の高温障害対策について
●播種・育苗時における高温対策のポイント

 7月~8月に栽培がスタートする秋冬どりの多くの野菜は、比較的耐寒性はありますが、発芽・生育適温が15~25℃のため夏期の播種・育苗にあたっては気温と地温の両面から温度上昇を防ぐ対策が最も大切です。

 播種後、発芽揃いまでは、発芽適温に近づける様に、播種後は適度な遮光を行って、地温の上昇を抑える管理に努めてください。遮光資材の遮光率は30%前後が適していますが、曇雨天時や発芽揃い後に被覆したままにすると軟弱徒長した生育となるため適宜取り除くなどして日照不足にならない様に留意しましょう。

 直まきするニンジンやダイコンなどでは、遮光資材は白寒冷紗や白色ネット資材を直がけ又はトンネルで利用すると良く、小面積では切った稲わらやもみ殻で地表を覆う方法も効果的で、土壌の固結や乾燥防止効果も期待できます。育苗を行うキャベツやブロッコリーなどでは、遮光資材は育苗ハウスやトンネルの屋根面に展張して使用した方が昇温抑制効果が高く、また育苗ポットやセルトレイは地表に直置きしないで、コンテナ等を利用して簡易の育苗ベンチを作ってその上で管理を行うと通風が良好になって、硬い苗を育成できます(図1)。

 なお、育苗中のかん水管理は、高温となる日中のかん水を避け、早朝か夕方に行うようにしましょう。ただし、セルトレイの育苗では夕方にかん水量が多いと軟弱徒長となるので萎れ防止程度に留めてください。

図1 セル成型苗の簡易育苗ベンチの設置例

雨よけで管理、高温期には遮光資材(遮光率30%)を被覆、
換気部には防虫ネットを展張

●生育中の育苗時における高温・多雨対策のポイント

 高温期にゲリラ豪雨等の集中豪雨によりほ場が冠水したり滞水すると、ネギやブロッコリー等では湿害で根腐れを起こしたり、病害が多発しやすくなります。排水不良や大面積のほ場では、雨水が停滞しないよう作付までにほ場の周囲に排水溝を設置するなどの準備を行い、大雨時には速やかな排水作業を行いましょう。特に、水田から転換したほ場や大型農機によって耕盤(圧密層)ができているほ場では心土破砕や高うね栽培を行って影響を少しでも緩和するよう努めてください。

 なお、苗の定植や中耕・土寄せ作業は適期に行うことが大切ですが、高温・多雨の最中に行うと根を傷めて生育が抑制されるので猛暑時の作業は見合わせたり、温度が低下する夕方行うなど臨機応変に対処しましょう。

高温等の気象情報に留意しながら、農作業は水分補給と休憩を取りながら行うなど熱中症対策を講じましょう。

サツマイモ基腐病のまん延を防ぎましょう!

広報誌「さいたま」2022年5月 No.266より

 サツマイモ基腐病は2018年に日本国内で初めて確認され、2021年には関東でも発病が確認されました。

 サツマイモ基腐病は株元が黒変し(図1参照)、病気が進行すると地上部の葉は枯れ、さつまいものなり首部分から腐敗します。

 まん延を防ぐポイントは「持ち込まない・増やさない」の2点です。
 まだ発病が確認されていないほ場では、病原菌を持ち込まないこと、発病が確認されたほ場では病原菌を増やさないことが重要です。


図1 株元黒変の様子

1 基腐病菌を持ち込まない

 苗は、基腐病に登録のある農薬(表1参照)で苗消毒を行いましょう。

表1 サツマイモ基腐病に登録のある苗消毒剤
薬剤名 希釈倍数 使用時期 使用方法 使用回数 FRACコード
ベンレート水和剤 500~
1000倍
植付前 30分間苗基部浸漬 1回 1
ベンレートT水和剤20 200倍 植付前 30分間さし苗基部浸漬 1回 M03、1
2 基腐病菌を増やさない
(1)定植前の準備

 前年に基腐病が発病したほ場の利用は避けましょう。
 基腐病菌は水によって株から株へ広がる病気のため、排水性の悪いほ場の利用は避けましょう。

(2)定植後の防除対策

 定期的にほ場を観察し、発病株があった場合、速やかにほ場外に持ち出して適切に処分しましょう。
 発生株除去後、周辺株への感染を予防するために、表2を参照して薬剤散布を行いましょう。
 発生ほ場で利用した農機具や資材は、消毒や洗浄を十分に行いましょう。

表2 サツマイモ基腐病に登録のある殺菌剤
薬剤名 希釈倍数 使用時期 使用方法 使用回数 FRAC
コード
効果
Zボルドー 500倍 散布 M01 予防
ジーファイン水和剤 1000倍 収穫前日まで 散布 NC、
M01
治療
アミスター20フロアブル 2000倍 収穫14日前まで 散布 3回以内 11 治療

疑わしい症状を確認した場合は、JAさいたまやさいたま農林振興センターにご連絡ください。

田植えの準備作業のポイントについて

広報誌「さいたま」2022年4月 No.265より

 まもなく田植えの季節を迎えます。ここでは、田植え前の作業のポイントについて紹介します。

1 ほ場準備

 耕起は、根域を拡大しイネの活力を高めるため、作土深15cmを目標に行いましょう。また、水稲除草剤をしっかり効かせるには、除草剤処理後3~4日間は3~5cm程度の水深を保ち、土壌表面に薬剤の処理層を形成させることが必要です。そのためには田面を均平にし、漏水を防ぐほ場作りを心がけてください。

2 種子消毒

 種子は、必ず温湯または種子消毒剤により消毒してください。温湯消毒は60℃の温湯に10分間浸漬します。種子消毒剤には化学合成農薬と微生物農薬があり、どちらも有効成分を十分に種籾に付着させることが安定した効果を得るポイントです。なお、種子消毒剤による消毒では廃液の河川等への流出には十分注意し、適切に廃棄してください。

3 浸種~育苗管理

 浸種の水温は10~15℃程度とし、積算水温 100℃~120℃を目安に(水温10℃の場合で10~12日間、15℃では7~8日間)種子を十分に吸水させます。

 ハウス内の育苗では昼間30℃以上、夜間は10℃以下にならいよう換気と保温に努めてください。

 育苗中の水管理は、根張りを良くするため、水はひかえめに、乾かしぎみに管理します。かん水は午前中に床土全体に水がしみわたるようたっぷりとします。夕方のかん水は地温を下げ、根の張りを悪くするので避けましょう。

4 病害虫防除

 苗立枯病は、異なる数種類の病原菌が原因で発生し、いずれの病原菌も土壌中や被害植物の残渣中で生存します。このため、育苗箱はよく洗浄し、資材消毒剤のイチバンなどで消毒します。また、育苗中の温度や湿度の急激な変化は苗立枯病や生育障害の発生を助長するので、温湿度の管理に注意してください。

 管内では近年、いもち病による減収が認められます。いもち病の伝染源は、感染苗の持ち込みや前作の被害残渣(稲わら・籾殻)です。昨年、いもち病が発生した地域ではいもち剤の入った育苗箱施薬剤を施用してください。また、補植用の余り苗は葉いもちの発生源となるので補植後直ちに除去・処分してください。

 縞葉枯病は、ヒメトビウンカが媒介するウイルス病です。本病に感染すると株が枯死したり、穂の出すくみや不稔により減収します。本病に感染しやすい「コシヒカリ」や「キヌヒカリ」などでは、ヒメトビウンカに有効な育苗箱施薬剤を施用しましょう。


葉いもちの病斑

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