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GARDEN菜園

ニンジンのトンネル栽培 とう立ちさせない温度管理を

広報誌「さいたま」2021年1月 No.250号より

園芸研究家●成松次郎

ニンジンの発芽適温は15〜25度で発芽には10度以上、生育適温は18〜21度です。緑植物春化型といい、ある程度の大きさになり、低温に遭遇すると花芽が形成され、その後の長日と高温でとう立ちが始まる野菜です。

 

[品種]

春まき用にはとう立ちがしにくい品種を選びましょう。どんな土壌にも適し、作りやすい「向陽二号」(タキイ種苗)、草勢が強く、芯まで鮮紅色になる「ちはま五寸」(横浜植木)などがあります。なお、暖地向きの「黒田五寸」はとう立ちの早い品種です。

 

[畑の準備]

種まき2週間前に1平方m当たり苦土石灰100gをまき、30cm程度の深さに耕します。1週間前に、化成肥料(NPK各成分で10%)100〜150g と完熟堆肥2〜3kgを施し、土とよく混ぜておきます。
 条間15cm、株間15cmなどの穴開きマルチ資材の規格に合わせた70〜80cmのベッド幅を作ります。マルチは早めに張って地温を上げておきましょう。

 

[種まき]

温暖地では1〜2月から種まきができますが、家庭菜園では3月まきが安心です。穴開きマルチでは、1穴に5〜6粒まきます(図1)。

 

[トンネルの設置]

換気作業を省力化するには穴開きのトンネル資材(農ポリ)を選ぶと良いのですが(図2)、普通の農ポリでは生育に従って裾を上げて換気をします。さらに、トンネル内の茎葉が茂り、いっぱいになればトンネルを外します。
[間引き]1回目は本葉2〜3枚のときに2〜3本、2回目は5〜6枚のときに一本立ちにします(図3)。

 

[土寄せ]

間引きと同時に土寄せを行い、さらに収穫期近くには、根の肩の部分にさらに土寄せして、根が緑に着色するのを防ぎます(図4)。

 

[収穫]

根の径が4〜5cmに肥大した株から順次抜き取ります。太り過ぎて裂根しないうちに収穫をします(図5)。裂根は急激に肥大する生育後半、畑が乾燥または過湿となる水分条件で起きやすいものです。

 

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

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